梅田 望夫:ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる ちくま新書

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)



●レビュー内容(「BOOK」データベースより)

インターネットが登場して10年。いま、IT関連コストの劇的な低下=「チープ革命」と技術革新により、ネット社会が地殻変動を起こし、リアル世界との関係にも大きな変化が生じている。ネット参加者の急増とグーグルが牽引する検索技術の進化は、旧来の権威をつきくずし、「知」の世界の秩序を再編成しつつある。そして、ネット上にたまった富の再分配による全く新しい経済圏も生まれてきている。このウェブ時代をどう生きるか。ブログ、ロングテールWeb2.0などの新現象を読み解きながら、大変化の本質をとらえ、変化に創造的・積極的に対処する知恵を説く、待望の書。


●目 次

序章 ウェブ社会―本当の大変化はこれから始まる / 第1章 「革命」であることの真の意味 / 第2章 グーグル―知の世界を再編成する / 第3章 ロングテールWeb2.0 / 第4章 ブログと総表現社会 / 第5章 オープンソース現象とマス・コラボレーション / 第6章 ウェブ進化は世代交代によって / 終章 脱エスタブリッシュメントへの旅立ち


●読書のポイント

ネットの「あちら側」ですか・・・。いやー、正直この本を読むまで、グーグルって単なる検索サービスぐらいにしか思っていませんでした。そのネットの「あちら側」の世界から私のいる「こちら側」がどのように見えているのか。そこのところがこの本を読んでよくわかります。「あちら側」からは「こちら側」の行動がすべてお見通しなのですね。

それにしても、この「あちら側」と「こちら側」という視点はとてもユニークです。これは「人間」と「神・仏」、「この世」と「あの世」にも通じる素晴らしい視点だと思いました。まさに目からウロコの一冊です。

「あちら側」では、グーグルなどの圧倒的な資金力と知の集積により、高品質なサービスが無料で提供されるつつあるのですね。私も早速その恩恵にあずかろうといまあれこれ試しています。いやー確かに便利ですはホンマに。グーグルのサービスを利用して、従来なら開発に数億円かかったシステムを、数十万円で作った企業も出てきたそうです。

ロングテール」の発想、「Web 2.0」の世界など、業界用語?もわかりやくす解説され、読むほどにヒント満載の本だとつくづく感心します。ウェブ社会とリアル社会のハザマでこれから確かに大変化が起きそうな予感がしてきました。いや、ホンマに。。。