矢部 三雄:森の力―日本列島は森林博物館だ! 講談社プラスアルファ新書

森の力 (講談社+α新書)

森の力 (講談社+α新書)



●レビュー内容(「BOOK」データベースより)

トトロの森、鎮守の森の力と大切さ、知ってますか!?

日本人の心の中に、いつも森は生きてきた。
21世紀のこれからを生きていく子供たちに、多くの命を育む森林のメカニズムを知ってもらいたい。緑の地球を守るために!

お父さん、お母さん方に読んでいただければ! 森のいとなみのなんと神秘的なこと、そしてなんと偉大なこと。こんな姿を21世紀を生きる子どもたちに伝えたくて、全国の森を歩きながら観察し続けました。森のメカニズム、森と人との歴史、みんな明日を生きる人々の貴重なヒントとなるでしょう。

森に入り、森と触れ合った子どもたちの輝く瞳は、明日の地球を支えてくれる力と感じます。どなたにも気軽にお読みいただけるよう努力しましたので、是非一度お手に取ってみては。


●目 次

第1章 日本列島は森林博物館だ!/第2章 驚くべき森林の力/第3章 不思議な森林の生態/第4章 森林の力――その賜物/第5章 森林と人との歴史/第6章 日本人の心の中にある森林/第7章 危機に瀕する日本の森林/第8章 地球環境と森林/第9章 21世紀は「森林の世紀」


●読書のポイント

本のタイトル「森の力」に惹かれて購読しちゃいました。これまで、森に関するさまざまな新書を読んではこのコーナーで紹介してきましたが、たぶんこの本を最初に読むのが取っ掛かりとしては一番スムーズに入っていけると思います。

日本の「木の文化」や「森林生態系」など、日本の木や森林について勉強しようと考えている方に、身近な話題を引用しながら雑学的知識を私たちに提供してくれる良本です。新書のメリットは、一つひとつの話題が短く区切られていることです。この本も小さなコラムを束ねたような構成なので、電車などの移動時間中に簡単に読み進むことができます。

名は体を表わすといいますが、本書から著者のほのぼのとした森への気づかいや森への強い親しみがしみじみと伝わってきます。著者の矢部さんは、心底森林が好きなのだろうと想像してしまいました。表紙や本文中に挿入された森の写真を見るだけでも、心が癒されます。文章もよくかみ砕かれていてとても読みやすいです。

この本を読んで、冬の森の中を落ち葉を踏みしめて散歩したいなあ、なんて思いをめぐらしていましたが、ニュースでは全国的に大雪の模様。なので、雪を被った森のなかで兎の足跡を追いかける光景に頭のなかをチェンジしました(笑)