安田 喜憲:森と文明の物語―環境考古学は語る ちくま新書



●レビュー内容(「BOOK」データベースより)

地中海に広がる古代遺跡から北ヨーロッパ、そしてアメリカ大陸に至る森林調査の旅の記録をもとに、花粉分析と先端考古学の成果を駆使して森と文明との関わりを考察した、もう一つの世界史。


●目 次

プロローグ 森の物語/第2章 香わしき森の悲劇/第2章 オリーブの大地/第3章 森をめぐる戦争/第4章 森の王の物語/第5章 滅びゆく森の楽園/第6章 共生の森/エピローク 森の旅


●読書のポイント

本書の前半にレバノン杉の話が出てきます。かつては、この地方がレバノン杉(実は松の一種)で覆われていたのが、文明の発達にともなってこの杉が珍重され、次々と伐採されてしまっいたのです。現在では、ほんのわずかな土地にわずかに残るだけとなってしまいました。さらに、そのわずかに残った木々も弱っているというのです。その木々に活力を与え、元気を回復させようととう取り組みが紹介されています。実は、その話をある人から聞いて興味をもっていたので、この本を購入したのです。花粉分析というユニークな手法で考古学的な世界史観が綴られています。ヨーロッパ、アメリカ、そして日本の自然観を考える上でも新しい視点を与えてくれました。