石 弘之:地球環境報告Ⅱ 岩波新書
- 作者: 石弘之
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1998/12/21
- メディア: 新書
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●レビュー
出版社/著者からの内容紹介
森林の消滅と砂漠化,水産資源の破壊的収奪,土壌悪化,水資源の枯渇….際限なく肥大する消費と過剰な収奪がもたらす自然生態系の破壊はいまや,森林・水産・農地・水など,人類の生存基盤となる天然資源の再生維持をも脅かしている.環境問題の現場を追って世界120カ国を調査してきた著者による最新のレポート.
●目 次
第1章 地球破壊の構図/第2章 地球の森が消える/第3章 干上がる地球/第4章 水浸しの地球/第5章 辺境に迫る危機/第6章 追われる生き物たち/第7章 壊滅する熱帯の海/第8章 極地圏の異変/第9章 環境破壊と国家崩壊/第10章 将来の選択
●読後感想
前著「地球環境報告」の刊行から10年後の1998年に出たその続編です。まえがきによれば、改訂版を出すということで、資料の整理を始めたところ、この10年間であまりに急激な変化が起きていて、とても改訂版では対処できずに新たに書き下ろしたものだそうです。急増する人口と消費の増大、過剰な収奪、自然生態系の破壊、森林の消滅、水資源の枯渇、漁業資源の減少、土壌劣化等など、人類の生存基盤にかかわる問題がリアルに描かれています。環境問題の現場を追って世界120カ国を調査してきた元朝日新聞記者の著者ならでは切り口で、90年代に入ってますます深刻化した地球環境の危機的な現状が生々しく報告されています。本の題名どおり「報告」が主体となっていて、具体的な解決策の提示はありません。それでも、環境問題がについて改めて考える契機を与えてくれる価値ある一冊だと思います。