石 弘之:地球環境報告 岩波新書

地球環境報告 (岩波新書)

地球環境報告 (岩波新書)



●レビュー(「BOOK」データベースより)

地球生態系の崩壊は、北極から南極、成層圏から深海底までと、グローバルな範囲で加速度的に進行している。人類の明日を脅かす砂漠化、森林の消滅、さらには酸性雨フロンガス、食品の化学汚染…。80カ国以上を自らの足で調査した著者が、最新のデータを折りこみ、傷ついた地球の現状を訴える迫真のルポルタージュ


●目 次

1 生態系の崩壊/2 ガン化する都市/3 人口の大移動/4 消える熱帯林/5 失われる大地/6 増える災害の犠牲者/7 忍び寄る飢餓/8 汚される地球/9 売り渡される汚染


●読後感想

本書は、環境問題について考えたり、取り組みを始めたりする上で、導入的役割を果たしてくれる良書です。20世紀の後半に起きた地球規模のさまざまな異変にスポットが当てられています。生態系の崩壊、人口爆発、森林破壊、砂漠化、大規模化する災害、飢餓、環境汚染・・・。ローマクラブの「成長の限界」に示された現象が、まさに予測どおりに現実に起きていることを示す貴重なデータが示されています。150億年という長い宇宙の歴史の中で、この数十年間の地球環境の変化がいかに劇的であるのか、考えさせられます。初版が1988年ですから、この本が世に出てからすでに20年近く経過しているわけです。でも、少しも古臭さを感じません。むしろ、地球環境問題がより深刻な問題として我々の前に立ちふさがっているだけに、いま一度フォーカスを当てたい一冊として本書を取り上げました。



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