民谷 昌弘, 峰岸 和弘:「新建設業宣言」



●レビュー

建設業はフランチャイズチェーン(FC)システムに活路を見いだそうとしているという。建設関連FCビジネスの市場規模は約3618億円、本部数30余りと報告されている。特に住宅分野においてその伸びは顕著で、著者は水面下の市場規模が1兆円強、本部数を100以上あるのではないかと推定している。

建設業界のFCが他業種のFCより高い成長性を示しているのには理由がある。まず、受注ありきという受け身の営業スタイルから脱却できること。地域に根ざした企業といえば聞こえはいいが、従来の地縁、血縁を軸とした受注体制では、もはや成長は見込めないというのだ。

だが、FCならば、それまで独自に培った優位性を広いエリアで展開できる可能性があると見る。また「どこに頼んでも品質はおおよそ同じ」というイメージを抱く市場に、際立ったセールスポイントを効率よくアピールできる強みも生まれる。

本書では、本部側の事業ノウハウとともに加盟店として本部を選ぶ際の見方を教えている。また、5つの成功事例を紹介している。中小企業であっても大手企業に伍して戦っていけるビジネスモデルを実例で示している。


●目 次

まえがき/勝ち残るための決断「建設業フランチャイズビジネスへの道」/はじめに/「クレバリーホーム」(株式会社新昭和) 自社のノウハウをすべて凝縮しハイスピードで叶えた成功経営/「リーベハイム」(株式会社原田工務店) 進化し続ける商品を武器にしたアパートオーナーシステム/「JAPAN緑化」(株式会社ジャパン緑化) 地球環境への熱い想いがビジネスになった。杉・檜の秘めた力を再利用する土壌改良事業/「庭案館」(株式会社庭案館) 専門店のネットワーク化でエクステリア産業の確立を目指す/「インターデコハウス」(ハウジング山地株式会社) 輸入住宅のよさを日本全国に伝えたい―夢が築いたオリジナル販売システム/あとがき


●読後感想

5つの事例が紹介されています。
クレバリーホーム」(株式会社新昭和)
「リーベハイム」(株式会社原田工務店
「JAPAN緑化」(株式会社ジャパン緑化)
「庭案館」(株式会社庭案館)
「インターデコハウス」(ハウジング山地株式会社)

このなかで、環境事業との関連が最も近い「JAPAN緑化」について精読しましたが、なるほどと思わせるアイデアがそこに示されていて興味を惹きました。


http://www.domi-es.jp/