米田 雅子:新分野へ挑戦する建設業―動き出した450社

新分野へ挑戦する建設業―動き出した450社

新分野へ挑戦する建設業―動き出した450社



●レビュー

この本は、企業経営の今後について真剣に考えておられる方々に、本業以外の分野に進出する選択肢を提示することを目的にしています。皆さまのヒントとなるよう、農業、環境・リサイクル、健康・福祉、生活サービス、情報通信など、多彩な分野を選びました。また、新分野へ進出するポイントや経営で留意すべきこと、利用できる公的支援など、すぐに役立つ情報もなるべく多く取り入れました。前書(『建設業の新分野進出』)の書く分野別解説、支援機関の一覧表と合わせて利用していただければ幸いです。――(編著者より)


●目 次

第1部 新しいニーズをつかんで、自らを変える(新分野への挑戦が始まった/ストックと環境/異分野への進出が始まった ほか)
第2部 “事例”新分野に進出する50社(1次産業/環境・リサイクル/健康・福祉 ほか)
第3部 成功企業の深掘り事例研究(5社に探る成功への軌跡とそのポイント/新規事業成功のための6つの“C”)
第4部 全国新分野進出企業461事例


●読後感想

平成16年12月28日に国交省総合政策局建設業課より、「建設業の新分野進出支援策について」以下の報道発表がありました。

建設業は、国民生活及び経済社会活動の基盤である社会資本整備の直接の担い手であるとともに、国民総生産・全就業者数の約1割を占める我が国の重要産業のひとつであるほか、特に地方部において多くの就業機会を提供することにより、雇用の確保に大きく寄与するなど、地域経済においても大きなウェイトを占めておりますが、近年建設投資の急速な減少により、深刻な過剰供給構造となっており、受注の減少、利益率の低下により厳しい経営環境が続いております。

こうした中、国土交通省においては、建設業の再生に向けて、入札・契約制度の改革を通じて、不良・不適格業者の排除の徹底やダンピング受注の防止などを図り、公正な競争環境を整備するとともに、コスト管理の徹底等による経営の効率化、資機材調達の共同化等の企業間連携、合併や協業組合の設立等の経営統合、これまで培ってきた技術とノウハウを活かした、農業・福祉・環境等の新分野への進出など、経営革新の取組みを通じた経営基盤の強化を促進しているところです。

特に、建設業の新分野進出については、地域の基幹産業の再生を通じて、地域の活性化を図る観点から、本年6月4日に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004(骨太の方針2004)」において、その円滑化に向けて支援策をとりまとめることが盛り込まれました。

これを受け、厚生労働省農林水産省経済産業省環境省国土交通省を構成員として本年3月に設置した「建設業の新分野進出を促進するための関係省庁連携会議」において議論を重ねてまいりました。ついては、建設業の新分野進出を後押しする施策として、このほどとりまとめられた「建設業の新分野進出支援策」を、本日公表いたします。


いよいよ、建設業の農業・福祉・環境等の新分野への進出が加速されそうです。本書は、こうした動きに先駆けて、既に新分野の挑む元気印の会社の事例を紹介しています。新規事業への進出に当たって、多角化、会社再生、地域おこしのヒントが示されています。

特に、新規事業成功のための6つの【C】というキーワードは、重要です。その6つの【C】とは、CRISIS 危機に対する鋭敏な感度、CHALLENGE&COURAGE 挑戦する勇気、CONCEPT 確固たる理念と使命感、COLLABORATION 強い協力者の存在、COMMUMICATION 周囲の理解と意思疎通、そしてCONTROL 事業計画の策定と統制のこと。この章は必見です。

http://www.domi-es.jp/