水野 かおる:日本が100人の村だったら―今の日本昔の日本

日本が100人の村だったら―今の日本昔の日本

日本が100人の村だったら―今の日本昔の日本



●レビュー内容(「MARC」データベースより)

「日本が100人の村だったら」と仮定して、「今」のニッポンをもう一度見つめなおしてみませんか? 二十一世紀始めのニッポンと二十世紀の様々な時代のニッポンを比べながら、現在の自分の生活を見つめ直す絵本。


●読書のポイント

たまには、読み物ではなく絵本を眺めてみるのもいいのではないかと思い、この本を紹介することにしました。ミリオンセラーになったネットロア(インターネットによる民話)『世界がもし100人の村だったら』も併せてご覧になることをオススメします。

「100人の村」の原点は、環境学者ドネラ・メドウズが1990年5月に発表した「村の現状報告」というコラムの一編だそうです。冷戦末期の世界を1000人の村にたとえ、そこにある矛盾と危機を平易に明快に示したことがこうした本の生まれるきっかけをつくったといわれています。それをベースにインターネット上でメール配信され、全世界に広がりました。

100人に縮めたことから来る統計数字の歪みもあるでしょう。また、単純な文章が故に曲解されることも否定できません。でも、シンプルが故に広く一般の方が手軽に読める敷居の低さや直感的に認識できるレベルに数字が置き換わったことで、普段あまり深く考えていない問題を身近な問題として捉えることができます。こうした単純化によって浮き彫りにされるメッセージに多くの人が共鳴してほしいと思います。

難しい本が苦手という方には、ぴったりの本です。