読売新聞科学部:地球と生きる「緑の化学(グリーンケミストリー)」 中公新書ラクレ

地球と生きる「緑の化学(グリーンケミストリー)」 (中公新書ラクレ)

地球と生きる「緑の化学(グリーンケミストリー)」 (中公新書ラクレ)



●レビュー(「MARC」データベースより)

環境に優しい技術を開拓する「緑の化学」とは。生活に密接に結びつく話題から新世紀の化学の姿を提示。


●目 次

序章 「緑の化学」へのいざない―「まえがき」にかえて/第1章 あなたのそばに緑の化学/第2章 緑の化学の最新技術/第3章 リサイクルにも緑の化学/第4章 緑の化学で資源活用/第5章 地球を守る緑の化学


●読書のポイント


グリーンケミストリーとは、環境への影響が少なく、人体にも安全で、「持続可能な社会」を支える化学の手法を指す言葉です。「結果」あるいは「成果」を追い求めてきた化学が、いったん立ち止まり、周囲への汚染や地球環境への負荷、あるいは生物や人体への健康影響に配慮して、原料の選択から製造、そして製品が消費者に渡り、それが廃棄されるすべての工程を考慮しながら、ものづくりを進める方法――ということになります。

低毒性、省エネ、ゴミゼロ、リサイクル・・・地球に優しい新技術を模索するグリーンケミストリー。身近な話題から最先端の研究まで、新世紀の化学の姿がわかりやすく紹介されています。

ただ、グリーンケミストリーは、まだまだ新しい分野の領域なので、その評価手法や経済性の問題など、解決すべき課題も多いようです。ここに紹介されたすべての手法や技術が世の中に広く普及するかどうかは定かでありません。でも、多くの環境問題が化学の応用から派生したわけですから、それを防ぐ方法も化学から生まれても不思議ではありません。いわば、毒をもって毒を制するといったところでしょうか。グリーンケミストリーという分野、これから見逃せない分野になると思います。要チェックです。